【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット(抜粋より)】
台湾の中古車査定ビジネスの現状
◆台湾の中古車市場は?
台湾の2016年の新車販売台数は、約44万台。中古車の年間の登録台数は66万台となっている。台湾では中古車の発生台数は増加しており、市場は拡大傾向だ。「今まで台湾では乗りつぶすような乗り方が多かったが、最近では5年から7年での乗り換えが増えてきました」(草間氏)。特に台北などの大都市では他の都市と比べ所得が高いため買い替え需要が増えてきている。自動車保有台数から見ても台湾の1,000人あたり保有台数は日本の約600台に対して約300台と半分。自動車市場拡大の余地が残っている市場だ。
中古車の流通は、中古車ディーラー経由が最も多い。しかし、中古車ディーラーといっても同じ中古車店ブランドを掲げるネットワーク系ディーラーと、一般のディーラーの2種類に分かれる。台湾には2,000を超える中古車ディーラーがあるとされているが、その半分以上がネットワーク系ディーラーだ。代表的なものは、台湾の日産自動車のパートナーである裕隆汽車グループの「SAVE」、トヨタのパートナーである和泰汽車グループの「HOT」、三菱系グループの「SUM」、さらに「CarOK」という4大中古車店ブランドがある。その他各地域にも独自のネットワーク系ディーラーが存在する。
◆ カークレド台湾支社について
台湾を訪問した方は気がつくが、スクーターの数がとても多い。平気で自動車並みのスピードを出すスクーター、その脇を自動車が走っていく。親日国家の台湾、街中には日本車が溢れている。日本車のシェアは6割を超える。
カークレド台湾支社は、2014年9月にそんな台湾に進出した。グループ会社の台湾プロトが行なっている「好店プロジェクト」に加盟した中古車ディーラーに彼らの在庫車両に対して中古車品質鑑定サービスを行なっている。
◆台湾で自動車アフターマーケットビジネスを行う魅力とは?
日本の自動車アフターマーケットも時代とともに課題を解決して変化してきた。1990年頃までの日本の中古車市場は、修復歴などの情報だけでなく店頭価格も表示されていないケースが多かった。その方が販売店にとっても何かと都合が良いためだ。しかし、公正な情報が中古車選びを変え、安心保証などの真っ当な差別化を打ち出さないと顧客が来ない時代になった。
日本の変化を台湾も辿っていくことになる。そう考えると、日本の自動車アフタービジネス企業は、台湾の市場が予測できる優位な立ち位置にいる。カークレド台湾支社は、日本で解決してきた経験で台湾の中古車市場の課題解決にチャレンジしていっている。台湾の自動車アフターマーケットには多くの参入余地と可能性が広がっている。
同時にアフターマーケット参入に当たっては人材育成が必須だ。特に現地の人材に対して、日本の技術やサービスの教育をしていうことがこれからますます大切になってくるだろう。