【ベトナム人自動車整備人財の夜明け】
2016年4月1日より外国人技能実習生制度において「自動車整備」が職種に追加された。これによってベトナム人の自動車整備関連への雇用機会が拡大した。
ベトナムにおいて自動車整備は大きな意味を持つ。ベトナム自動車工業会の発表によると2015年の新車販売台数は24万4,914台であった。前年比で55.1%の大幅な伸びを記録し市場が急拡大している。ベトナム国内の景気回復や道路インフラの改善、銀行の自動車ローンの強化などが増加の背景にある。
2014年におけるベトナムのハノイとホーチミンの1人あたりGDPはそれぞれ3,348ドル、4,986ドルとなっている。これはモータリゼーションが始まるとされている3,000ドルの水準をすでに超えている。政策の急な変化がない限りベトナムの自動車市場はこのままさらに拡大を続けるだろう。
市場の拡大に伴って自動車整備技術、技能の需要は増えていく。これからのベトナムの産業を担っていく上でも重要な職種であると言える。
「ベトナムには多くの学校があり、年間で1万人近くの技術者候補がいるのではないか」とベトナム人の学校関係者はいう。しかしながら学校を卒業しても3割くらいは仕事があるが、それ以外は仕事がない状況である。ベトナムでは専門を持っていても仕事がない状況が続いている。年齢が若く、技術が高く、人口も多いという利点を持っているのがベトナム人技術者の特徴だ。しかし、言語や文化の違いが大きな障壁となっていた。
人材が不足する日本の整備業界にとって、ベトナム人自動車整備人材の存在は業界を救える。一方でただ単に整備人材の不足という安易な理由だけでは短期的な解決策となるだろう。ただし、ベトナムに帰国してからも活躍できるような循環型の人材システムを作り人財へと変えていくことが大事だ。
(参考:レスポンス「川崎大輔の流通大陸」)
https://response.jp/article/2017/02/07/290220.html