【日刊自動車新聞】本日掲載/アセアンプラスコンサルティング代表 川崎大輔
川崎大輔の記事が、本日日刊自動車新聞に掲載されました。
『アセアン X アフターマーケット』を軸に、コンサルティングを行っています。
連載「新時代を生きる 川崎大輔のASEAN流通」(3)インドネシア中古車市場を知る三つの特徴
インドネシアの中古車市場の大きな特徴は三つ。1点目が「ブローカー介在型流通」。インドネシアではブローカーから中古車を仕入れることが多い。昔の日本と全く一緒でインドネシアではブローカーが暗躍しやすい市場の構造となっている。ブローカーネットワークの大きさと質が中古車ビジネスの強みとなる。都市から地方へ中古車流通もブローカーの重要な役割となっている。
2点目は「ジャカルタと地方での価格差が大きい」ということ。一般的に、インドネシアの中古車価格は高値で安定している。特にトヨタ車の売れ筋は高い。ジャカルタ近郊だけで中古車市場全体の30%ほどのシェアを占めるが、最近は地方への流通が加速している。インドネシアにはスラバヤ(ジャワ島)、メダン(スマトラ島)、など人口100万人以上の地方都市が10カ所ある。地方都市はまだ中古車の供給が足りておらず、中古車市場価格は、都市部より20%以上も高い価格となる。
3点目は「売り手優位市場」。中古車ディーラーでの販売価格は非表示、中古車店は客を見て販売価格を決める。最近では中古車サイトが増えているが、品質評価の基準がないこと、ブローカーが暗躍(個人間売買と言われていてもブローカー介在の可能性が高い)しており、買い手(ユーザー)は車に詳しくなければボッタクリにあいやすい。日本が経験した中古車市場の変化の道をインドネシアも辿る可能性が高い。そのため、自動車の品質基準の統一化、情報の透明化など日本が解決してきた課題は、今後のインドネシア中古車市場の重要な視点となるだろう。
日系企業はインドネシアにおける中古車ビジネスにおいて将来を知る優位な立ち位置にいる。そのような現実をもっと強く認識すべきではないだろうか。
<現在の連載>
◆自動車業界唯一の日刊新聞「日刊自動車新聞」『新時代を生きる川崎大輔のアセアン流通』連載開始
◆自動車業界における最大規模のウェブサイト 「レスポンス」『川崎大輔の流通大陸』連載中
◆整備業界のトップ月刊誌「整備戦略」『川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット』連載中