【日刊自動車新聞】本日掲載/アセアンプラスコンサルティング代表 川崎大輔
川崎大輔の記事が、本日、日刊自動車新聞に掲載されました。
連載「新時代を生きる 川崎大輔のASEAN流通」(5)新車天国ラオスにみる新たな潮流
◆中古車ディーラー急増傾向
ラオスの首都ビエンチャンを最近訪問した人であれば、朝夕のラッシュ時の道路渋滞に驚くことだろう。私が初めて訪問した20年前、ビエンチャンでさえも道路は舗装されておらず、ただの田舎であった。2004年から自動車輸入の規制緩和が行われ輸入許可証が廃止された。
その結果、09年までは中古車の輸入が急増した。特に日本と韓国から古い車が入ってきた。ラオスは日本とは異なり左ハンドル(右側通行)であるため日本からの中古車は、ラオス国内で左ハンドルへ改造するコンバージョンが行われた。しかし、市内の交通渋滞がまん延し、大気汚染も進むとの懸念から、政府は09年に中古車輸入を規制。その結果、新車しか購入ができなくなり新車輸入台数が増加した。
他のASEAN諸国と同様に日本車の人気が高い。日産、マツダ、三菱、ホンダ、いすゞの日系自動車メーカーのディーラーが進出している。しかし、やはりマーケットシェア45%のトヨタの人気が高い。近年では価格の安い韓国車が市場を広げてきている。
現地に進出しているトリペッチいすゞでのヒアリングでは、15年のラオスでの新車販売台数は約3万5千台。同年の中古車販売台数は1万5千台から1万8千台ほどと推計。ラオスでの年間自動車販売台数の70%が新車販売だ。
しかし今は逆の動きが起ころうとしている。国の政策による物品税の変動で新車価格が上昇する可能性がある。それによって新車から中古車へとトレンドがシフトするであろう。実際にその流れを敏感に察し中古車ディーラーの数がラオスで急激に増加傾向となっている。新しい潮流と言える。確かにラオスだけでの市場規模は大きいとは言えない。しかし、タイ・ベトナム両国を絡めた中古車ビジネス、さらには整備ビジネスの機会はこれから増加していくことは間違いない。
<現在の連載>
◆自動車業界唯一の日刊新聞「日刊自動車新聞」『新時代を生きる川崎大輔のアセアン流通』連載開始
◆自動車業界における最大規模のウェブサイト 「レスポンス」『川崎大輔の流通大陸』連載中
◆整備業界のトップ月刊誌「整備戦略」『川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット』連載中