川崎大輔の記事が、本日日刊自動車新聞に掲載されました。
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連載「新時代を生きる 川崎大輔のASEAN流通」(12)ASEAN最大の中古部品市場 マレーシア
マレーシアは日本製中古部品の重要なグローバル流通を担っており、東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の市場となっているのをご存知だろうか。日本で発生した中古部品は走行距離や使用年数が少ない。「日本は優良な中古部品発祥地」という世界共通の認識があることが、日本からの輸入比率が多い要因だ。取り扱われる中古部品は、ハーフカット、ノーズカットも多いが、主要中古部品であるエンジン、変換機に次いでオルタネータ、スタータの比率が高い。日本での引き渡し時からみて1・5~3倍程度で販売される。
マレーシアの首都クアラルンプールには、最も大きな中古車部品集積地であるklang(クラン)、次に大きなkepong(ケポン)という2大集積地がある。中古部品販売を行う企業は、マレーシアに5千社程度。日本から輸入されたこれら中古車部品すべてがマレーシア国内で流通するわけではない。ハブ拠点であるマレーシアに集約された後、世界各国へ再輸出される。現地でのヒアリングによれば80%ほどが国外向け、残りがマレーシア国内用だ。
マレーシアが再輸出拠点としての有力なハブになった理由は、アフリカや中東などの中間に位置している地理的要因がある。また、ASEANの中でのムスリム(イスラム教徒)国である点だ。アフリカや中東に住むムスリムにとって食事(ハラル)やモスクなどに十分に対応できる。そのため中古部品のハブとして確固たる地位を築いた。
日本メーカーの努力による高い国際競争力と品質によって日本製中古部品は高い評価を得た。日本での適正な自動車リサイクル法、リサイクル関連企業の先進技術、海外での日本車市場の拡大に伴う中古部品需要の増加など、やり方次第ではさらなる需要を見いだし、世界に誇れる日本の産業となる、大きな可能性を持つビジネスだ。
https://swbs.smrj.go.jp/myblog/21240/
<現在の連載>
◆自動車業界唯一の日刊新聞「日刊自動車新聞」『新時代を生きる川崎大輔のアセアン流通』連載開始
◆自動車業界における最大規模のウェブサイト 「レスポンス」『川崎大輔の流通大陸』連載中
◆整備業界のトップ月刊誌「整備戦略」『川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット』連載中