【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット(抜粋より)】
タイの鈑金塗装業界に進出した日系企業がいる。
2017年7月、東京にあるカーコンビニ倶楽部だ。
人の育成には時間が必要だ。カーコンは、タイの北部チェンライに実習生の研修施設として日本語学校、と基本的なカーコン技術を学べる研修所をつくった。研修所の先生も、3年間日本に行っていたタイ人が技術を教える。タイの鈑金塗装業界に革命を起こす中心を担うのは、日本から帰国したタイ人になる。そういったことが現実的に始まっている。
日本の自動車板金塗装業界の将来は厳しい。日本だけでビジネスをやるのではなく、グローバルな市場で収益を確保する必要がある。アセアン人材を活用していくことは日本の整備、板金塗装業界の人材不足解決だけでなく、アセアン市場における収益獲得への近道となる。
そういった意味で、車を作って送るだけではなく、その後のこともしっかり日本が責任を持たなければならない時期に来ている。中心となるのは人だ。
アセアンの人材を日本で雇用し、技術だけでなく彼らとの信頼関係も構築する。彼らは日本に骨を埋めることはしないだろう。いずれ祖国に戻る。その時に日本の技術が海外に出ていけるとなると同時に、本当の意味での信頼関係が築けたパートナーと、海外進出が行えるようになるのだ。
まずは、外国人を雇用する第一歩が必要だ。