【川崎大輔のアセアン自動車ニュース】
「ミャンマー産業人材育成シンポジウム」開催、ミャンマーの産業人材の育成や支援を目的とした「第3回ミャンマー産業人材育成シンポジウム」(主催:日本・ミャンマー友好議員連盟、日本商工会議所、特定非営利活動法人アジア環境技術推進機構)が11月27日、東京都内のホテルで開催され、日緬両国の政財界関係者など約300人が出席しました。
私も参加をしたのですが、人材でも特に自動車整備人材に関しての取り組みの強化について話し合われることになりました。
ミャンマーにおける自動車市場の特徴として、下記の4点が挙げられます。
(1) 需要ベースではなく政策ベースの市場
2011年9月からミャンマー政府による中古車買い替え推進策が進んだ。2012年5月からの個人に
値する中古車輸入の大幅緩和を受けて2011年に1万9000台だった輸入台数が、2012年には
12万台へ急増した。それ以降も政府の施策を受けて上下を繰り返している。
(2) 日本からの輸入車で90%を占める市場
自動車販売台数の95%近くが輸入中古車で、国内生産の新車販売台数は少ない。
左ハンドルの国にもかかわらず、右ハンドルの日本車のシェアが高い。バスは、日本車が70%程度
で出入り口が左側(道路のセンターライン)にあり危険なため右側に新たに出入り口を切り出している。
(3) 都市ヤンゴンに7割が集中
ミャンマーの全体の自動車市場の約7割がヤンゴン(ヤンゴン人口600万人)に集中しているいびつな
市場。仮にヤンゴンに42万台(60万の7割)とすれば、1000人あたり保有台数は70台となり、インド
ネシアに近い数値となる。
(4) トヨタのシェアが最も高い国
低年式・低価格の中古車が多く、故障が多い中でトヨタはアフターサービス網が一定程度あり、また
値落ちも少なく、安心により購買意欲が高まっている。
このような自動車市場の状況のミャンマーでは整備・メンテナンスの必要性が急務となっています。
理由としては、(1)車齢の高い中古車が市場の主流であり故障比率が高い、(2)整備工場が不足しており、ミャンマー政府に認められている整備工場は129店舗(2013)のみ、(3)熟練エンジニアの不足/自動車部品の不足、が大きな理由です。
個人的な川崎の見解としても、自動車整備分野の技術者訓練体制がミャンマーには整っていない。ミャンマーでは,中古車が増加しているにも関わらず、それらを整備する技術者のための職業訓練機関が未整備の状況である。整備学校の設立、教育ができる日本からの整備士、さらに教育実習用機材やリサイクル技術等の導入、自動車部品の安定的な調達によって自動車産業の活性化が図れると考えています。