【川崎大輔のアセアン自動車ニュース】
2017年、日本からの中古車輸出が安定推移、波はあるものの長期的に見れば海外における日本からの中古車輸出市場は成長し続けると個人的に考える。日本で生産され、使用されていた中古車という商品の優位性は、世界的に見て十分な競争力がある。自らが各国を訪問して実際にみて感じてきた本音の実感だ。
さらにアジアを中心とした新興国での自動車市場は拡大傾向だ。アジア・オセアニア地域を中心とした自由貿易協定の進展、また従来輸入を制限していた市場が開放されることで、中古車輸出市場の拡大を後押しすることになるだろう。
そのためには各国の為替相場の動向、関税などの現地の中古車市場施策をしっかりと見極めていく必要があるだろう。また、中古車輸出市場は参入障壁が低く詐欺行為などのトラブルの多い業界でもある。
日本がこの業界におけるグローバルスタンダードを確立し、各々がマナーをしっかりと守っていくことが重要となる。中古車輸出市場は、日本の自動車産業で高成長を続ける数少ない市場であり、健全な市場を創り出し成長させていくことが、業界関係者に求められている。中古車輸出の拡大が日本の中古車流通市場における活性化、さらには新車市場の拡大につながると考える。
そして、日本から海外にわたっていった日本車を大切に乗ってもらうために、病気を直していく必要がある。それらの役割を担うのは、外国人整備士である。作りっぱなし、送りっぱなしではダメである。そういう外国人整備士をしっかりと教育し、育てていく義務があることを、自動車を作ったメーカーや日本企業はもっと認識をすべきだ。